祖母とお茶

 最近、美容院で髪の毛をおかっぱ頭にカットしてもらった。この髪形を今風に表現するならどういうのかな?

家に帰ってくしでとかしていると幼いころのことがふと思い出された。

 あれは私が3,4歳の頃だったと思う。明治生まれの祖母がいつも私の髪の毛をとかしてくれていた。

その頃は後ろ髪を二つに分けて両サイドで編み込みを入れたお下げがお気に入りだった。

 

 しかしながら、子供のことで寝相が悪く長く伸ばした髪が絡んでいて、とかしてもらう度に痛い痛いと文句を

言った。そうすると祖母は熱いお茶をつげの櫛にかけて私の髪をとかしてくれた。それが功を奏したのか痛いのが

ずい分楽になった。私は毎朝つげの櫛にお茶をかけるリクエストをしたものだった。

 

 ある時、祖母にお水かお湯でもいいのではないかといった記憶がある。その時、祖母はお茶の方が後で頭が臭くならないのでお茶が良いといった。私はお茶にはニオイと色があるのに変なのと思ったものだった。

 

 大人になって、お茶には殺菌作用があると知って祖母のつげの櫛にお茶をかけたことに納得した。

田舎のただのおばあちゃんだったのに生活の知恵はもっていたのだなあって感心した。